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もくじ
キラウエア火山(カルデラ)地図
カルデラ南の絶景スポットへ行こう!
クレーター・リム・ドライブは閉鎖されていますが、この周遊路まではハイカーに限り開放されています(2019年8月現在)
名もない周遊路が超絶景だった!
カルデラの南側、ケアナカコイ展望台 の道を挟んで向かい側に周遊路があります。
この周遊路は、1974年7月の割れ目噴火口を眺めるための道と思われますが、ここがかなりの絶景。
周遊路からの眺め(割れ目噴火口とカルデラの断崖、そしてマウナロア)
なのに、この場所には名前すらない。あまり知られていないので、穴場スポットでもあります。
もったいない。ものすごく良いのに!というわけで、このエリアについて詳しく解説していきます!その際には、便宜上個人的に付けた名称を使うことをご了承下さい。
クレーター・リム・ドライブを歩く
オリジナルの名称と位置関係が分かりやすいように地図を作ってみました。
これを踏まえて読んで下さいね。
デバステーション・トレイルの駐車場から出発
目的地は、クレーター・リム・ドライブ沿いにあるのですが、現在は車両で通行することができません。なので、デバステーション・トレイル の駐車場に車を止めて、歩いて向かいます。
デバステーション・トレイルの駐車場
道には車両が通れないようにゲートがありますが、ハイカーは通ってよし!
クレーター・リム・ドライブに架かるゲート
クレーター・リム・ドライブの一部、この場所から ジャガーミュージアム までの区間は、2008年のハレマウマウ火口の噴火により閉鎖され、そのまま十年以上経ってしまいました。
アスファルトの路面は思ったよりも綺麗。もっと荒れているかと思っていましたが。しかし、ちょこちょこと動物の糞が落ちていて、人間の手から離れてしまっていることを物語っています。
白い並木
歩き始めは、木々に囲まれ視界がありません。
数分程歩いた辺りで、ふと気付きました。周囲の木が白く枯れていることに。
白く枯れた木
立ち枯れているのはオヒアの木。
陽に当たり、青空に一際白く映える枝。白い並木が妙に艶めかしい。美しいけどゾワッとするような、何だか童話の世界の森の中にいるみたい。
病気で死んでしまったのでしょうか。数年以上前から、たくさんのオヒアが ROD(Rapid ʻŌhiʻa Death)と呼ばれる病気で枯れ続けており、問題となっています。
- ROD(Rapid ʻŌhiʻa Death)とは
-
真菌によって引き起こされる病気。今まで、RODより数十万本のオヒアの木が枯れてしまった。これに感染すると、症状が出るまで1年以上掛かる場合があるが、症状が出たら数週間のうちに枯れてしまうという。詳細は下記サイトへ。
地割れ
スタートしてから15分後くらい。周囲の木や緑が減り、次第に風景が変わってきました。道の先に溶岩大地も見えています。
途中、差し掛かったのがこの地割れ。
地割れ
2018年の噴火に伴う地震でできた亀裂なのでしょう。結構、ガッツリいってます。
結構深い
ここを抜けた辺りから、グッと視界が開けてきますよ!
最初に目に飛び込んでくるのは、マウナ・ロア。
マウナロア
その手前には、カルデラの断崖。目の良い方なら、崖の上に建つジャガーミュージアムも見えるかな?
遙か向こうにはマウナ・ケアも。
カルデラの断崖方面には立入禁止の注意書き
道を外れてカルデラに向かって歩けば、こちら側の崖っぷちからカルデラの景色が拝めそう。しかし、崩壊の危険があるため立入禁止となっています。
そこは、さすが国立公園。分かってらっしゃる。カルデラに向かって、即席の道が一本作られていました。
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絶景スポット(1)カルデラとマウナ・ロア
丁度、マウナ・ケアに向かって道が伸びているように見える辺りが粋であります。偶然なのか演出なのか。
カルデラに向かう一本の道
道の先端まで行くと、こんな景色が!
カルデラとハレマウマウ火口の断崖
2018年の噴火により、ハレマウマウ火口 は陥没しながら次第に巨大化し、カルデラの断崖の一部をも巻き込みながら大きな穴を空けました。見えているのは、巨大化したハレマウマウ火口とカルデラの断崖。
両者の境目がよく分からない状態になっています。
陥没の影響でガタガタになったカルデラの底も生々しい。
ガタガタになったカルデラの底
1枚には収まりきらないので、パノラマ写真も撮ってみました。左右にスクロールします。
カルデラとマウナ・ロア
噴火の爪痕が残るカルデラを包み込むように、左右にのびのびと裾野を広げるマウナ・ロア。ハワイ島の雄大さを感じられずにはいられない!
マウナ・ロアは、今まで見た中で一番素敵でした。
お気に入りの一枚
さて、一度クレーター・リム・ドライブに戻ります。次は、名のない周遊路へ!
絶景スポット(2)名のない周遊路と1974年7月の割れ目噴火口
名のない周遊路の入口です。これだけしっかり作っているなら、名称があってもいいのに。
名のない周遊路
ここで拝めるのは、カルデラとハレマウマウ火口、マウナ・ロア、そして割れ目噴火口!ついでに、1982年9月の溶岩流も見られます。
景色が入りきらないのでパノラマ写真を。(左右にスクロールします)
周遊路からの景色
絶景スポット(1)と比べると、どちらも負けず劣らずの絶景ぶりですが、こちらの方が荒々しくて迫力がありますね。より火山要素たっぷり!
こんなにスゴイ風景なのに、誰もいないんですよ。カルデラを独り占め状態!めちゃ贅沢。
崩落したクレーター・リム・ドライブ
周遊路の左端では、崩落したクレーター・リム・ドライブの一部が見えます。
これも 2018年の噴火の爪痕。陥没していくハレマウマウ火口に飲まれてしまいました。
崩落したクレーター・リム・ドライブの一部
クレーター・リム・ドライブのアップ
しかし、落ちた道路が見えると言っても、知らないと見つからないレベルの分かりづらさ。自分は目がかなり悪いので、撮った写真を拡大して、やっと認識できました。
1974年7月の割れ目噴火
周遊路の右端辺りでは、溶岩大地に走る亀裂が見られます。これは、1974年に起こった割れ目噴火の跡。
大地に走る亀裂
キラウエア火山の噴火は、地面が裂けるところから始まり、その割れ目から溶岩が火のカーテンのように吹き出すのが特徴。(このような噴火を「割れ目噴火」と呼ぶ)
1974年の割れ目噴火の際には、溶岩の噴泉は40~50m程の高さまで到達したそうです。
1974年7月19日の割れ目噴火
[Public Domain] U.S. Geological Survey (HVO)
割れ目噴火口についての解説
噴き上げられたドロドロの溶岩は地面に落下する際、ベシャベシャと叩きつけられながら地割れの両側に堆積していき、2列の低い小丘を形成します。
このように溶岩の飛沫が落ちて潰れて固まったものをスパター、スパターが堆積して出来た小丘はスパターランパートと呼ばれ、周遊路ではこれらを観察することができます。
ベタベタとした見た目のスパター
スパターランパートは少し離れた場所にありますが、なかなか存在感あり!
スパターランパート
スパターランパートを間近では見たい場合は、マウナ・ウルの駐車場付近を散策してみて!
パーキング周辺の散策だけでも楽しい!大きな溶岩樹型や割れ目噴火口、スパターランパートなど、火山的見どころが満載です。
1982年9月の溶岩流(September 1982 Lava Flow)
マウナロアの左側の裾野の下に見えているのは、1982年9月の溶岩流。流れた溶岩の跡が綺麗に残っていたのですが…
2006年9月
2019年7月
ここもまた 2018年の噴火の影響で崩れていました。斜面を流れ落ちた溶岩が、一段下の地面に溜まっている様子が良かったのですが、この部分が崩落した模様。残念です。
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写真いろいろ
ネネとオヘロの実
クレーター・リム・ドライブを歩いているとネネ(ハワイアングース)に会えるかも!
ネネ(ハワイアングース)
ちょっとお洒落な立ちっぷりのネネさん。
道沿いには、ネネの大好きなオヘロベリーをちょこちょこ見掛けました。
艶々のオヘロの実
見るからに美味しそう!人が食べても大丈夫な実ですが、このエリアでは食べちゃダメ。
オヘロベリーを食べないで!
ネネのために、オヘロの実は残しておきましょう。
クレーター・リム・ドライブ
溶岩大地を突き抜ける道はカッコイイ!絵になります。
クレーター・リム・ドライブ
下は、名のない周遊路の少し先にできていたゲート。写真をよくよく見ると、道の右端の辺りに亀裂がある。
見ておくべきでした。どうなっているのか凄く気になる…!
マウナ・ケア
マウナ・ケアは、山頂の天文台まで見えました。晴れているって素晴らしい。
マウナ・ケア
このように、このエリアでは素敵な景色をこんなにたくさん拝むことができます。みんな、是非行ってみて下さい!